アップル歴代の「失敗作」まとめ!黒歴史を紹介
1976年に創業したアップルは、一時は倒産寸前にまで追い込まれたものの、「iPod」、「iPhone」、「iPad」などの度重なる成功によって復活し、今では時価総額世界一の超大企業に成長しました。
しかしながら、アップルが成功するまでには、数々の「失敗作」も世に送り出していました。
今回はそんなアップルの知られざる黒歴史をご紹介します。
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アップル歴代の「失敗作」まとめ!黒歴史を紹介
まずはアップルの「成功作」7選
その前に、まずはアップルのこれまでの「成功作」7選もおさらいしておきましょう。
どれも歴史を変えたすごい製品ばかりで、いわばアップルという会社の「表側」を表すものであり、アップルの歴史を語る上で重要になる製品でもあります。
成功作1. Apple I (1976)
まずは「Apple I」です。
アップル(当時はアップル・コンピュータ)が作った最初の製品であり、今のアップルの歴史はここから始まりました。
このマシンはアップル共同創業者であるスティーブ・ウォズニアックが独力で開発したと言われています。
Apple Iは安価なテレビ受像機に接続して動作するという革命的なコンピュータでした。
Apple Iは一定の成功を収め、翌年のApple IIに引き継がれます。
成功作2. Apple II (1977)
「Apple II」はApple Iの後継機として発売されました。
綺麗なプラスチック製ケースに収められたこのApple II、は空前の大ヒットとなります。
これまでコンピュータに触れることのなかったユーザー層にも受け入れられ、まさにApple IIはパーソナルコンピュータの歴史を変えたのです。
この大成功のおかげでアップル・コンピュータは一躍大企業にのし上がります。
成功作3. Macintosh (1984)
「Macintosh (マッキントッシュ)」は今のMacシリーズの原型となる製品です。
マッキントッシュはApple IIのような従来式のコマンドライン入力ではなく、現在主流のGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)とマウスを採用した革命的なパーソナルコンピュータでした。
当時放送されたテレビCMも伝説になっています。
また、このマッキントッシュはとてつもないこだわりを持って作られ、ケースの内側には製作チーム全員のサインが刻まれています。
ちなみに、GUIはゼロックス研究所が開発したもので、ジョブズが盗ん…応用して商用化したと言われています。
セールス的には大成功したとは言えませんでしたが、パソコンの歴史を変えたのは間違いありません。
成功作4. iMac (1998)
「iMac」は当時沈没しかけていたアップルを再浮上させた救世主的な製品です。
スティーブ・ジョブズがアップルに復帰して一番最初にリリースした製品でした。
この頃のパソコンは複雑化を極め、一般ユーザーが敬遠するものになっていました。
そこでiMacは、ディスプレイもスピーカーも全て一体に内蔵し、必要なのは電源とインターネットのケーブルだけにしました。
そうやってはじめてパソコンに触れる人にも優しい設計にしたのです。
キャッチコピーは初代マッキントッシュになぞらえて「Hello (Again)」でした。
iMacは大ヒットし、倒産寸前のアップルは息を吹き返します。
成功作5. iPod (2001)
「iPod」は音楽プレーヤーの歴史を変えることになります。
当時からMP3プレーヤーというのはニッチな市場として存在しましたが、どれも使い勝手や操作性が悪く、マニア向けの製品でした。
そこでジョブズは使い勝手の良いMP3プレーヤーを、自社でつくることにしました。
もともと市場にそういう需要があったというより、ジョブズが音楽好きで作りたかったという趣味の面が強かったと思います。
Mac普及のきっかけになればいいなという程度のこのiPodが、まさかの空前の大ヒットとなり、世界はiPodブームに沸くことになります。
成功作6. iPhone (2007)
「iPhone」は現在主流のスマートフォンの元になった製品です。
当時スマートフォンと呼ばれていた、ノキアやブラックベリーなどのフルキーボードを搭載した携帯電話が世界の主流でしたが、iPhoneはキーボードそのものを取っ払ってタッチUIを採用しました。
iPhoneはApp Storeなどの革命的なサービスを続々リリースし、現代のスマートフォンの原型を作っていきました。
ちなみにグーグルがタッチ操作に対応したアンドロイドの最初のバージョンをリリースしたのが、2年後の2009年です。
成功作7. iPad (2010)
「iPad」は世界初のタブレットです。
iPadはパソコンとスマートフォンの中間としてリリースされ、瞬く間に大ヒットします。
今や子どものゲーム機といえば任天堂ではなくiPadのようなタブレットです。
また、タブレットの人気がパソコン市場にもダメージを与えることになります。
これがスティーブ・ジョブズ最後の大仕事でした。
アップルの11の失敗製品
ここまでは多くの人が知るアップルの栄光の側面をご紹介してきました。
ここからはおそらくほとんどの人が知らない、アップルという会社の「裏側」、すなわちアップルの黒歴史をご紹介します。
アップルは一時期駄作を連発し、倒産寸前まで追い込まれていました。
それでは参りましょう。
失敗作1. Apple III (1980)
「Apple III」は、名機Apple IIの後継機として導入されましたが、高すぎる値段設定、Apple IIとの互換の少なさと自由度の低下、致命的なハードウェアの欠陥が原因で、わずか1年半で生産終了となりました。
失敗作2. Lisa (1983)
「Lisa」はスティーブ・ジョブズが心血を注いで開発したコンピュータです。
実はMacintoshより先にGUIを搭載していましたが、高すぎる値段設定とモッサリ動作のせいで売れませんでした。
この頃のアップルはハードウェアの不具合が多かったようです。
ちなみに、リサとはジョブズの娘の名であると、後で本人が認めています。
失敗作3. Macintosh TV (1993)
「Macintosh TV」は、テレビチューナーを内蔵したMacintoshです。
残念ながらたったの一万台しか売れませんでした。
ジョブズが追放された後のアップルの迷走が始まっていきます。
失敗作4. Quick Take (1994)
「Quick Take」は世界初のデジタルカメラでコダックが製造しました。
コンセプトは悪くなかったが後発のカシオらに惨敗します。
失敗作5. Pipin @. (1996)
「Pipin @.(ピピンアットマーク)」は、バンダイが製造したゲーム機です。
あまりにも高額な上にソフトが少なく、当時全盛のプレイステーションに勝てるはずがなく惨敗しました。
世界一売れなかったゲーム機としてギネスに登録されています。
失敗作6. Newton (1993)
「Newton(ニュートン)」は、世界初のPDA(携帯情報端末)です。
一部のユーザーにヒットしましたが、文字入力の認識率が低く、後に復帰したスティーブ・ジョブズによって抹殺されました。
2010年にはiPadとして生まれ変わったとも言われています。
また、ジョブズがかたくなに嫌った理由は、スタイラスペンがないと使えないことだったそうです。
失敗作7. Macintosh 20周年エディション (1997)
「Macintosh 20周年エディション」は約87万円で限定販売されました。
これをプレゼントされたスティーブ・ジョブズが、二階の窓から投げ捨てたという伝説があります。
失敗作8. ホッケー・パック・マウス (1998)
大ヒットした「iMac」付属のマウスでしたが、操作性が最悪でした。
失敗作9. Power Mac G4 Cube (2000)
「Power Mac G4 Cube」は、Mac史上最も美しいデザインでしたが、値段が高いのとその割に性能も中途半端で売れませんでした。
今はニューヨーク現代美術館に展示されています。
失敗作10. ブルートゥース・ヘッドセット (2008)
「ブルートゥース・ヘッドセット」はアップル製のワイヤレスイヤホンです。
iPhone 3GSの頃に一時期販売していました。
その後付属イヤホンにマイクが内蔵されるようになっていつの間にか消えました。
2016年には「AirPods」として復活します。
失敗作11. iPhone5c (2013)
「iPhone5c」は、ハードとソフトの融合を目指して作られました。
デザインはよかったのですが、廉価版のくせに5sと一万円しか変わらなかったのと、スペックが前モデルのiPhone5と同じで買う理由がなく売れませんでした。
翌年には速攻で販売が終了され、今ではなかったことにされています。
最後に
このように、アップルは多くの失敗を繰り返してきた会社ですが、それ自体は悪いことではないと思います。
新しいことに挑戦するのは常に失敗するリスクを伴うためです。
とは言っても、いい加減にiPhoneに変わる新製品をヒットさせないと、今後の衰退は間逃れません。
ジョブズ亡き後のアップルは、あの暗黒時代に逆戻りしていると言う人もいます。
Apple Vision Proが、これらの失敗作に仲間入りしないように、次のモデルのバージョンアップに期待しています。