ワイヤレスヘッドホンが爆発!?リチウムイオンの安全性を再び考える
2月19日、オーストラリア行きの航空便にて女性客の身につけていたヘッドホンが突如発火する事件が起きました。
発火の原因はヘッドホンに搭載されているバッテリーである可能性が高いとのことです。
女性は機内で睡眠中に突然爆発音がし、気がついたときには顔に火が燃え広がっていたそうです(参考: The Verge)。
飛行機で爆発というと、サムスンのスマホ問題を思い出しますが、どうやらリチウムイオン電池を搭載する端末であれば、いずれも爆発のリスクを抱えているのかもしれません。
一人一台爆弾を持つ時代に?
まずは上の動画をご覧ください。これはリチウムイオン電池(ノートPCのものでしょうか?)に圧力をかけるとどうなるかを実験した映像です。
動画の最後には想像を絶するほどの大きな火を上げて爆発しています。
このようにリチウムイオン電池は小さいものでも爆発すればかなりの脅威になるようです。
今回の事件のように、ワイヤレスヘッドホンに搭載されている比較的小さなバッテリーでもかなり危険なのかもしれません。
現代に生きる私たちは、一人一人がこの爆弾を持ち歩いているのです。
リチウムイオンが爆発する条件とは?
以前話題になったギャラクシーの発火原因はバッテリーの絶縁体に不具合があったからと言われています。
このような不具合は通常はありえないものですが、他にもリチウムイオン電池が発火する原因があるようです。
その一つは熱です。
リチウムイオン電池を高温で加熱すると、発火したり爆発するようです(参考: Gigazine)。
ただしこれはかなりの高温に限定されるので、夏場の車内に放置したり、ガスバーナーで意図的に炙ったりしない限りは大丈夫なようです。
そしてもう一つは過充電です。
リチウムイオン電池のキャパシティを超える量の電力が送られると、発火の原因になるそうです。
通常は過充電にならないようにセンサーで管理さえれているようですが、何度も充電されて使い古されるとこのセンサーが劣化してくるという話があります。
そして先ほどの動画のように、過剰に圧力をかけることで化学反応が起きて発火するという話もあるようです(参考: Stone Washer’s Journal)。
今回のヘッドホン爆発の原因は公開されていませんが、ヘッドホン内のリチウムイオン電池が安物だったのか、過充電によって劣化していたのか、気圧の変化によって電池に圧力がかかったのかもしれませんね。
バッテリー搭載機器はますます増える!?
リチウムイオン電池を搭載したものはすでに私たちの身の回りに溢れています。
スマホ、タブレット、ノートPC、スマートウォッチ、携帯ゲーム機、モバイルバッテリーなどです。
さらにこれからの時代は、モノのワイヤレス化やIoT化が進んでいくと言われています。
iPhone7からイヤホン端子が排除されたように、おそらく今後はワイヤレスイヤホンが主流になっていくのでしょう。
そうなれば誰しも耳に常に爆弾を装着することになります。
そして車もEV(電気自動車)が主流になりつつあります。
EVの代表であるテスラモデルSには200kgのリチウムイオン電池が搭載されていると言われていて(参考: CarWatch)、いわば走るダイナマイトです。事故の際の被害はガソリンとは比較にならないかもしれません。
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最後に
テクノロジーの進化によって、私たちの暮らしは急激に変化しています。
これからバッテリーはクリーンエネルギーの蓄電などにも利用され、私たちの生活にますます欠かせないものになるでしょう。
その一方で、数が増えることで事故が発生するリスクも高くなります。
安さを求めて安全基準を満たしていないような質の悪いリチウムイオン電池に手を出すのは控えた方がよさそうですね。
「リチウムイオンは爆発のリスクがあるから使うのをやめるべきだ」ではなく、事故のリスクを抑えつつより普及を促すためにはどうすべきかを考えることが大切なのかもしれません。