次世代コーデック「AOMedia Video 1 (AV1)」にアップル参加!標準になるか
動画を圧縮するためのコーデックといえば、現在は「HEVC (H.265)」と「VP9」が主流になりつつあります。
普及率ではHEVCが高く、アップル製品やネットフリックス、Amazonプライム・ビデオ、Ultra HD Blu-rayなど、幅広い対応が進んでいます。
ところが、このHEVCはMPEGという団体に高額のロイヤリティを支払わないと使うことができない点が問題視されています。
対するVP9はグーグルが開発したロイヤリティフリーのコーデックなのですが、いまひとつ普及が進んでいません。
また、アップル製品はVP9に対応していないため、Apple TV 4Kでは、YouTubeの4K動画を再生することができないといった互換性の問題も招いています。
そこで、HEVC、VP9を束ねる次世代コーデックとして期待されているのが、「AOMedia Video 1 (エー・オー・メディア・ビデオ・ワン)」です。
この通称「AV1」は、名だたるIT企業たちが支持を表明していることに加えて、ついにアップルも参加したことで、次の標準規格になる可能性が高いのです(参考: アップル、動画圧縮技術の開発を目指すAlliance for Open Mediaに加盟)。
AOMedia Video 1とは
「AOMedia Video 1」とは、非営利団体である「Alliance for Open Media (オープンメディアのための同盟)」が開発する動画コーデックです。
AV1の特徴は、HEVCやVP9よりも更に高い圧縮率を目指すことと、なんといっても、オープンソースで公開され、ロイヤリティフリーで使えるということです。
AV1には、すでにアップル、グーグル、アマゾン、マイクロソフト、インテル、ネットフリックス、フールー、アドビ、エヌビディア、モジラなど、世界の有名IT企業たちが支持を表明しています(参考: Huluも続いたオープンメディアフォーマット「AV1」とは)。
すでにグーグルは開発中のVP10を取りやめ、このAV1の開発にシフトしているようです。さらに、規格が決定次第、YouTubeでAV1をサポートすることも表明しているとのことです。
また、AV1はWebRTCに適応され、インターネットの接続状況に応じて快適に動画を再生できるようになるようです。
AV1が普及すれば、パソコンやテレビではより高画質に動画を再生でき、またスマホなどのモバイル環境でもより快適に4K動画を楽しむことが可能になるでしょう。
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最後に
今回は、「次世代コーデックAOMedia Video 1 (AV1)にアップル参加!標準になるか」についてご紹介しました。
最近はビデオストリーミングサービスもどんどん増えてきていますが、その一方でMPEGにロイヤリティ料を搾り取られることを、どの企業も良くは思っていなかったようです。
このAV1のリリースによって、現在のHEVCとVP9という2つのコーデックが乱立する状態も改善されますし、さらに圧縮率が向上するため、今よりも快適にビデオストリーミングを楽しめるようになります。
AV1が広く普及するまでにはまだ時間がかかりますが、動画再生の未来は明るいことは間違いなさそうですね。