iPadにPhotoshopのフルバージョン登場!?Adobeの脱PC/Mac依存か
ソフトウェア会社のAdobe(アドビ)の開発する「Photoshop (フォトショップ)」のフルバージョンが、iPadに登場するのではないかという噂が出ているようです(参考: Adobe、iPad版Photoshopを開発か)。
これまでもAdobeは、「Photoshop Fix」、「Photoshop Mix」、「Photoshop Express」などの機能を限定したいわばフォトショップモドキをiOS向けにリリースしていましたが、今回登場するとされているのは、PC/Mac版と同じ正真正銘のフルバージョンのようです。
言わずもがな「Photoshop」は、Adobeを代表する中核となる製品なので、そのPhotoshopのiPad版がリリースされるということは、これまでPC/Macに向けてメインに開発していた体制から脱却するということなのでしょうか。
果たして、今後はAdobeの脱PC/Mac依存が進んでいくことになるのでしょうか。
※追記18.10.16: Photoshop CC for iPadが正式に発表されたようです(参考: ついに解禁! Adobe、正真正銘フル機能の「Photoshop CC for iPad」を2019年にリリースすると発表)。
AdobeがiPad版Photoshopをリリースするかもしれない3つの理由
AdobeがiPad版のPhotoshopをリリースするかもしれないのには、大きく3つの理由があると考えられます。
1つ目は、「iPadの普及台数」で、iPadは2018年第2四半期だけも900万台以上売り上げていて、その数は実にMacの2.2倍です。
ここまで売れていて普及しているデバイスであるなら、AdobeとしてもぜひiPadに対応したいと考えているはずです。
また、PhotoshopがiPadに対応することで、PC/Macのユーザー層とは別の、新たな顧客を獲得できるチャンスにもなるでしょう。
2つ目は「Apple Pencil対応」で、iPadは現行モデル(iPad 第6世代、iPad Pro)のすべてがApple Pencilに対応しています。
このApple PencilとPhotoshopの親和性は間違いなく高いと思われるので、PC/Macにペンタブを繋ぐよりもさらに快適な使い心地を実現できる可能性があるのです。
つまり、iPad版Photoshopはこれまでのものより素晴らしいものになるかもしれません。
3つ目は「iPadの処理能力の高さ」で、特に2017年にリリースされたiPad ProがDual Core Intel Core i5を搭載するMacBook Proの処理能力を凌駕するスペックだと話題になったのが記憶に新しいと思います(参考: 10.5インチ型「iPad Pro」の「A10X Fusion」、MacBook ProやiMac並の性能に匹敵することが判明)。
このように、今やiPad ProはそこらのノートPCよりもずっと高性能なマシンなので、Photoshopも問題なくサクサク動くはずなのです。
これらの3つの理由を考慮すると、むしろAdobeがiPad版のPhotoshopをリリースしない理由はないとも言えるかもしれません。
今後はAdobeの脱PC/Macが進む?
Adobeといえば、先日はスマホ・タブレット・PCで共通に使える映像編集ソフトである「Project Rush (プロジェクト・ラッシュ)」を発表したことでも話題になりました(参考: Adobeの「Project Rush」は動画編集ソフトのスタンダードになるか?)。
「Project Rush」を使えば、スマホやタブレットでもより本格的な映像編集が可能になるようです。
このように、Adobeは映像編集や画像編集ソフトをスマホやタブレットなどのプラットフォームにも解放していくことで、今後は脱PC/Mac依存を図っていくのでしょうか。
Adobeの現在の収益モデルは、従来のようにソフトを売るのではなく、ユーザーにクリエティブ・クラウド(CC)に加入してもらって月額料金を払ってもらうものへとシフトしました。
そのため、今のAdobeはPC/Macにこだわる必要は全くなく、幅広いユーザーにクリエティブ・クラウドに加入してもらって、好きなデバイスでAdobeのソフト(アプリ)を使ってもらえればそれでいいのです。
そのため、今後はPhotoshopのみならず、Illustrator(イラストレーター)などの他のAdobeの人気ソフトたちも、iPad向けにリリースされるのかもしれませんね。
▼「iPad 第7世代」はこちら
最後に
今回は、『iPadにPhotoshopのフルバージョン登場!?Adobeの脱PC/Mac依存か』についてご紹介しました。
いずれにしても、Adobeはこれからより市場を拡大していく方向に舵を切るのは間違いなさそうです。
Photoshopはこれまで、写真やDTP関連のプロがメインのターゲットで、使うためにはPCかMacが必須となっていました。
しかしこれからは、iPadを持つ全てのユーザーがPhotoshopの潜在的なターゲットとなるでしょう。
プロにとっては、Apple Pencil対応でより利用シーンが広がると思いますし、プロではない一般ユーザーもiPadで手軽にPhotoshopを使うようになる時代がやってくるかもしれません。
PhotoshopのiPadが今後どうなるのか、目が離せませんね。