Netflix、App内課金に続いてAirPlayも削除!アップルと関係悪化?
定額動画配信サービスを手がける「Netflix(ネットフリックス)」は、これまでiOSアプリ向けに提供していた「AirPlay」の機能を削除しました(参考: Netflix confirms it killed AirPlay support, won’t let you beam shows to Apple TVs anymore)。
これまでは、iPhone・iPadのNetflixアプリからApple TVへAirPlayをして視聴することができましたが、今後はAirPlayは使えず、直接Apple TV側のNetflixアプリから再生する必要があります。
アップルとNetflixの関係をめぐっては、2019年1月にiOSアプリのApp内課金を廃止したことが記憶に新しいところです(参考: ばいばいアップル税。Netflixが全世界でアプリ内課金やめる。)。
NetflixがApp内課金を廃止した理由は、アップルの手数料が15%と高額だったことが原因ですが、今回のAirPlayに関しては特に手数料も必要ないはずなので、なぜ削除したのか不明です。
考えられることは、先の手数料の件に加えて、アップルが「Apple TV+」で定額動画配信サービスに参入する背景などから、Netflixとの関係が悪化してこじれてしまったということでしょうか。
果たして、アップルとNetflixの関係は今後どうなっていくのでしょうか。
Netflix、App内課金に続いてAirPlayも削除
アップルへの当てつけ?
今回、NetflixがiOSアプリのAirPlayの機能を削除した理由として考えられるのは、アップルに対する当てつけであるという線が妥当に思われます。
アップルは2019年から、AirPlayの機能をソニー、サムスン、LGといったサードパーティのテレビに解放を始め、まさに普及を促しているところでした。
また、AirPlayに加えて、各動画配信サービスを1ヶ所にまとめられる「Apple TVアプリ」も新たにサードパーティーに解放し、2019年秋に開始する新動画配信サービス「Apple TV+」の準備を着々と進めていたところでもありました。
定額動画配信サービスで世界最大手であるNetflixは、この「Apple TVアプリ」には参加せず、アップルとは縁を切っていく方向性を示しています。
そして、iOSアプリのApp内課金廃止、Apple TVアプリへの不参加に続いて、今回のiOSアプリのAirPlay削除が実行されました。
AirPlayの機能を削除したところで、Netflixには特にメリットはないのですが、アップルが推し進め始めたAirPlayの出鼻をくじくことや、機能削除でアップルとアップルユーザーが不便を強いられることから、やはり単なる当てつけである線が濃厚です。
2018年のアップルのApp Storeの非ゲームで課金額が最も大きかったのはNetflixで(参考: App Annie、2018年世界消費支出ランキングを公開)、アップルとNetflixはいい関係を続けていたのですが、2019年に入ってから暗雲が立ち込めています。
アップルとNetflixの関係は今後どうなる?
おそらくアップルとNetflixの関係は、今後も悪化を続けていくことになりそうです。
かねてからNetflixに否定的な立場を示していたスティーブン・スピルバーグ監督がアップルのApple TV+に参加したことで(参考: スピルバーグ監督、アカデミー賞にNetflix作品を締め出すルール変更求める)、Netflixの怒りは頂点に達したのでしょうか。
このように、NetflixはApp内課金廃止、Apple TVアプリ不参加、AirPlay削除と、立て続けにアップルとの対立姿勢を見せてきましたが、さすがに最後手段は実行しないで欲しいところです。
その最後手段とは、iOSのNetflixアプリを削除するということです。
もしもiPhone・iPadからNetflixアプリが削除されることになれば、Netflixの動画はブラウザから視聴しなければならなくなり、ユーザーはかなりの不便を強いられることになります。
かつてグーグルが、アマゾンのFire TV向けのYouTubeアプリを停止した過去があるので(参考: 2018年から「Amazon Fire TV」でYouTubeアプリが使えなくなります)、あながち絶対にないとも言い切れないところです。
ユーザーとしては、それだけはやめて欲しいところですね。
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最後に
今回は、『Netflix、App内課金に続いてAirPlayも削除!アップルと関係悪化?』についてご紹介しました。
このように、NetflixはアップルのiOSアプリのApp内課金に続いて、アプリのAirPlayの機能を削除し、アップルとの関係が悪化しているように見えます。
ユーザーとしては、前のようにApp内課金を復活させて、AirPlayの機能も戻して、Apple TVアプリにも参加して欲しいところです。
しかしながら、アップルとNetflixの関係を修復するには、App内課金の手数料を引き下げて、さらにハリウッドとNetflixとの対立問題を解決するというやっかいな課題をクリアしないといけません。
もはやこの問題は、アップルとNetflixだけでなく、ハリウッドの映画製作も巻き込んだ大きな問題に発展してしまっています。
今後のアップルとNetflixの関係がどうなっていくのか目が離せませんね。