Huluがディズニー傘下のサービスに!しかし日本は関係ない
ディズニーは2019年5月14日(米時間)に、動画配信サービス「Hulu (フールー)」の経営権を獲得することを発表しました(参考: DisneyがHuluの100%支配権獲得 Comcastとの契約で)。
もともとディズニーは2019年3月の21世紀フォックス買収完了の時点でHulu株の60%以上を保有していましたが、今回残りの33%を所有するComcastから2024年1月以降に買い取ることが決まり、事実上100%ディズニーの子会社になるようです(参考: 米ディズニーがHuluの経営権取得 動画配信を強化)。
つまり、「Hulu」はディズニーの動画配信サービスになります。
しかしながら、日本におけるHuluの運営権は2014年に日本テレビに売却されているため、日本ではこの話は関係ありません。
ディズニーは2019年11月より「Disney+ (ディズニープラス)」という動画配信サービスを開始しますが、「Disney+」では全年齢対象のコンテンツを、「Hulu」ではX-MENやデッドプールなどのPG・R指定や成人向けのコンテンツを提供していくようです(参考: ディズニー、Foxの主要事業を買収へ)。
Huluの有料会員数は、2019年5月1日時点で世界2,680万人となっていて(参考: Hulu、有料会員数が2680万人に 1─4月に約400万人増)、Netflixの1億4890万人以上やAmazon Prime Videoには劣るものの、今後はDisney+とともに追撃が始まりそうです。
Huluがディズニーのサービスに
「Hulu」は100%ディズニー傘下のサービスとなり、今後は買収した20世紀フォックスなどのコンテンツが配信されることになりそうです。
アメリカでは、「Disney+」の月額料金が$6.99、「Hulu」の広告付きプランが月額$5.99なので、2つを合わせても$12.98と、Netflixのスタンダードプランと同程度になります。
おそらくディズニーは、「Disney+」と「hulu」をセットにしたお得なプランを用意して一気に会員数を増やしてくるでしょう。
日本テレビはディズニーに経営権を渡すべき?
日本における「Hulu」の経営権は日本テレビが所有していて、happyonという独自のドメインで運営されています。
そのため日本のHulu(happyon)は、日本テレビで放送されているドラマの見逃し配信などが中心のサービスとなっています。
日本におけるHulu(happyon)の会員数は2016年以降は伸び悩んでおり、2018年時点で178万人のようです(参考: 国内Hulu会員数178万人に 売上増で損失幅を縮小)。
日本における定額動画配信サービスのシェアを見ると、Amazon Prime Videoが最も大きく、NetflixとHulu(happyon)がほぼ同等となっています(参考: 有料ネット動画サービスは全年代で利用が拡大/動画広告の「許容度が高い」メディアは?【ニールセン調査】)。
しかしながら、Netflixはここ3年でユーザー数を拡大していることに比べて、Hulu(happyon)はここ3年はほとんどユーザーが増えていません。
このペースでいくと、今後はAmazon Prime VideoとNetflixに差をつけられていくことになります。
そのため、いっそ日本テレビはディズニーに経営権を譲渡して、日本のHuluもディズニーに運営してもらった方が良いサービスになり、ユーザーも喜ぶのではないでしょうか。
そして、日本テレビの所有するドラマやバラエティなどのコンテンツを米Huluに提供する形にすれば、ライセンス料で稼ぐことができてウィンウィンだと思います(ディズニーが日本テレビのコンテンツ配信を許可するかどうかは微妙ですが)。
Disney DELUXEもやめるべき?
ディズニーは2019年11月より動画配信の「Disney+ (ディズニープラス)」を開始する予定ですが、このDisney+は日本では提供されない可能性があります。
日本では2019年3月より、docomoとディズニーによる「Disney DELUXE (ディズニーデラックス)」というサービスが始まりました。
この「Disney DELUXE」がまさに「Disney+」にそっくりなサービスで、ディズニー、ピクサー、マーベル、スターウォーズのコンテンツが配信されているわけです。
「Disney DELUXE」は「Disney+」にそっくりなのですが、「Disney+」のウリであるオリジナルコンテンツの配信が行われるかどうかは現時点では不明です。
現状の「Disney DELUXE」では、ディズニーの過去のコンテンツが配信されているだけの微妙なサービスなのです。
ユーザーの要望としては、「Disney DELUEXE」はやめて「Disney+」を日本で始めて欲しいというのが本音です。
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最後に
今回は、『Huluがディズニー傘下のサービスに!しかし日本は関係ない』についてご紹介しました。
このように、米Huluの経営権をディズニーが取得し、Huluはディズニー傘下のサービスとなります。
しかしながら、日本のHuluの運営権は日本テレビが持っているので、ディズニーとは無関係に引き続きhappyonとしてサービスが展開されていきます。
世界の定額動画配信サービスは、Netflix、Amazon Prime Video、そしてディズニー陣営のDisney+、Huluに加えて、アップルのApple TV+も参入する戦国時代に突入します。
ケーブルテレビや衛星放送の時代は、国ごとにテレビ局がローカルに番組を製作して放送していましたが、現代はNetflix、Amazon、ディズニー、アップルなどがグローバルに番組を製作して配信する時代になりつつあります。
果たして、今後動画配信サービスの市場はどうなっていくのか、目が離せませんね。