ドラマ「ザ・モーニングショー」が面白い!Apple TV+が現代社会を描く

2019年11月2日より、アップルの定額動画配信サービスである「Apple TV+ (アップル・ティーヴィープラス)」が始りました。

「Apple TV+」では、アップルが製作するオリジナル作品が独占配信されているのですが、中でも「ザ・モーニングショー」というドラマが面白いのでご紹介します。

「ザ・モーニングショー」の舞台は現代のアメリカで、朝の人気番組の名物キャスターがセクハラ疑惑で降板させられるところから物語が始まります。

「ザ・モーニングショー」では、#MeToo運動やSNSの炎上、保守派とリベラル派の論争、性差別問題など、現代社会のカオスをうまく描いています。

そんな「ザ・モーニングショー」の面白い点は、誰か1人の視点からのみでなく、さまざま人の視点から多面的に描かれていることです。

そんなわけで今回は、Apple TV+オリジナルドラマ「ザ・モーニングショー」について見ていきましょう。

視聴はこちら: ザ・モーニングショー

※以下ネタバレを含まないようにしているので、未視聴の方も安心してご覧ください。

「ザ・モーニングショー」が面白い

ザ・モーニングショー (The Morning Show)」は、人気テレビ番組「ザ・モーニングショー」をめぐってさまざまなスキャンダルとテレビ局内部のゴタゴタ、そして現代社会のありさまを描くドラマです。

キャストには、「フレンズ」、「マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと」などのジェニファー・アニストン、「わたしに会うまでの1600キロ」、「ビッグ・リトル・ライズ」などのリース・ウィザースプーン、「リトル・ミス・サンシャイン」、「マネーショート」などのスティーヴ・カレル、「ビッグ・フィッシュ」、「ウォッチメン」などのビリー・クラダップらが出演しています。

「ザ・モーニングショー 」は、シーズン1全10話が予定されていて、第2話までは無料で公開されています。

「ザ・モーニングショー (The Morning Show)」の辛口レビューサイトであるロッテン・トマトズのオーディエンススコアは、94%となっています(参考: THE MORNING SHOW)。

視聴はこちら: ザ・モーニングショー

傾き始めているテレビ業界

日本では「若者のテレビ離れ」なんてことをよく耳にしますが、テレビ離れが起こっているのはアメリカも同じようです。

アメリカでは2013年に1億世帯を超えていた有料テレビの契約数が2018年には9,030万世帯にまで減少し、さらに2023年までに7,200万世帯まで落ち込むと予想されています(参考: 動画配信、ディズニーにジレンマ 稼ぎ頭に影響も)。

このように、長年メディアの王者であったテレビ業界は下り坂に突入していて、代わりにインターネット配信が急成長を見せています。

この現状を象徴するように、「ザ・モーニングショー」の劇中のセリフには「このままテレビ業界が変わらなければ、IT企業に買収されてしまう。」というものもあります。

すぐ炎上するネット社会

ドラマ「ザ・モーニングショー」では、現代のすぐ炎上するネット社会が物語のキーになっています。

物語は、大物キャスターのミッチ・ケスラーがセクハラの告発(おそらく#MeToo)によって降板させられるところから始まります。

その後、地方のテレビリポーターをしていたブラッドリー・ジャクソンは、炭鉱で石炭賛成派のオルタナ右翼との激しい口論になり、その動画がネットで拡散されて大炎上します。

ブラッドリーの発言は賛否が分かれテレビ局を辞めることになるのですが、これがきっかけで物語が動き始めます。

このように、「ザ・モーニングショー」には毎回のようにネットの炎上が登場し、それが物語のキーとなって話が進んでいきます。

多面的に描いている

そしてこのドラマの面白いところは、どちらか一方の意見に肩入れするのではなく、さまざまな視点から描いているところです。

例えば、セクハラ疑惑で辞めさせられたミッチですが、彼はなぜセクハラ行為に及んだのか、なぜ罪の意識がないのかを描くことで、セクハラ問題の闇の深さが分かってきます。

もちろん、セクハラを告発した側の意見のシーンも登場し、この問題がいかに複雑化しているかが分かってきます。

また、テレビ局内で蔓延していた組織の隠蔽体質なども徐々に発覚し、さまざまな問題が明るみになっていきます。

そして物語的に敵になりそうだった人が味方になったりと、絶対的な善人・悪人を区別せずに状況に応じて多面的に描いているのがこのドラマの面白いところです。

このドラマをアップルが作る意味

ドラマ「ザ・モーニングショー」を製作しているのは、テレビ局ではなくアップルであるという点も面白いところです。

IT企業であるアップルが、わざわざテレビ局を題材にしたドラマを作ったのはなぜか」と考えると、裏に何か伝えたいメッセージがあるのではないかと思えてきます。

アップルは今後メディア企業となって、人々の思想に影響を与えられるコンテンツ作りを目指していくのでしょうか。

ネット配信戦国時代へ

最近はアマゾンやネットフリックスといったIT企業が自社でドラマを作る流れが活発になってきていて、従来のテレビ局の役割を完全にリプレイスしようとしているのが分かります。

特に、最も人気のあるテレビドラマであった「ゲーム・オブ・スローンズ」の放送が終了した今、アマゾン、ネットフリックス、アップル、ディズニーにとっては、次のゲーム・オブ・スローンズを狙える最大のチャンスなわけです。

すでにNetflix、Amazon Prime Video、Hulu、Apple TV+といったサービスがあるのですが、今後はDisney+、HBO Maxといった大手のサービスが参入してさらに競争が激化します。

まさに、2020年代はネット配信戦国時代が幕を開けると言っても過言ではなさそうです。

視聴はこちら: ザ・モーニングショー

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最後に

今回は、『ドラマ「ザ・モーニングショー」が面白い!Apple TV+が現代社会を描く』についてご紹介しました。

このように、Apple TV+のドラマ「ザ・モーニングショー」では、ネット社会によってカオスになった現代をうまく描いています。

また、このドラマは一方的に善人・悪人を決めつけて制裁を下すチープなドラマではなく、さまざまなキャラクターの視点から多面的に描いているのが面白い点です。

今後は、アップルのみならずアマゾンやネットフリックス、ディズニーなどのネット配信ドラマの競争が激化していきそうです。

果たして、Apple TV+は今後どのような展開を見せるのか目が離せませんね。