「動物農場」の翻訳は角川文庫がおすすめ!読みやすい
イギリスの作家ジョージ・オーウェルの小説といえば、1949年に発表された「1984年 (Nineteen Eighty-Four)」が有名なのですが、実はもう1作有名なものがあります。
それは、1945年に発表された「動物農場 (Animal Farm)」です。
「動物農場」は、動物たちが農場で革命を起こし人間たちを追放した後に徐々に楽園から恐怖政治に代わっていく様を描いたディストピア小説で、現代に読んでも楽しめる完成度の高い作品です。
そんな「動物農場」なのですが、2022年8月時点では様々な出版社から様々な翻訳版が販売されているため、「動物農場の翻訳はどれがいいの?」と気になるところです。
結論から言うと、「動物農場」の翻訳は「角川文庫」がオススメになります。
「動物農場」の翻訳は角川文庫がおすすめ
「動物農場」の角川文庫版は読みやすい
「動物農場」の翻訳は、「角川文庫」から販売されているものがオススメです。
角川文庫版は、翻訳が高畠文夫で1972年に初版が発売されています。
実際に角川文庫版の「動物農場」を最後まで読んだ感想としては、難しい単語や分かりづらい言い回しなどもなく、スラスラと最後まで読むことができたのでとても読みやすかったです。
▲さらに、角川文庫版は「動物農場」に加えて、「象を撃つ (Shooting an Elephant)」、「絞首刑 (A Hanging)」、「貧しいものの最期 (How the Poor Die)」の3本と、訳者による解説「24金の率直-オーウェル瞥見-」も収録されているのでお得感があります。
ちなみに、電子版であれば最初の数ページがサンプルで読めるので、事前に確認してみるのもオススメです。
▼角川文庫版の「動物農場」はこちら
「1984」も角川文庫版で揃えるのもアリ
▲「動物農場」と同じ作者であるジョージ・オーウェルの「1984 (Nineteen Eighty-Four)」も角川文庫から販売されています。
角川文庫版の「1984」は、翻訳が田内志文で2021年に初版が発売されています。
背表紙に統一感がある
▲「動物農場」と「1984」を角川文庫版で揃えると、背表紙に統一感があるのでオススメです。
また、角川文庫版の「1984」も翻訳が読みやすいので「動物農場」と一緒に揃えるのもアリだと思います。
▼角川文庫版の「1984」はこちら
「動物農場」のハヤカワepi文庫版は訳がひどい?
続いては、ハヤカワepi文庫から販売されている「動物農場 [新訳版]」について見ていきます。
ハヤカワepi文庫版は、翻訳が山形浩生で2017年に初版が発売されています。
このハヤカワepi文庫版には誤訳の問題が指摘されています。
「動物農場」の作中には、「荘園農場 (マナー・ファーム、Manor Farm)」というとても重要な単語が出てくるのですが、ハヤカワepi文庫版では「メイナー農場」という謎の訳があてられています(参考: マナーをわきまえない「動物農場」新訳 : 私たちは20世紀に生まれた)。
タイトルには「新訳版」と入っていますが、むしろ「誤訳版」と言ったほうが正しいかもしれません。
このように、「動物農場」のハヤカワepi文庫版はあまりオススメできません。
▼ハヤカワepi文庫版の「動物農場 [新訳版]」はこちら
「動物農場」の岩波文庫版は子ども向き?
続いては、岩波文庫から販売されている「動物農場: おとぎばなし」について見ていきます。
岩波文庫版は、翻訳が川端康雄で2009年に初版が発売されています。
岩波文庫版の「動物農場」の特徴は、です・ます調で書かれていることです。
タイトルに「おとぎばなし」と入っているように、全体的に子どもにも分かりやすいような言葉遣いになっている印象です。
しかしながら、読みやすいと言えば読みやすいのですが、ちょっと子ども向き過ぎるところも気になりますし、です・ます調の小説は読みづらいと感じる人もいると思います。
そこで、電子版であれば最初の数ページがサンプルで読めるので、まずは角川文庫版と比較してみて気に入った方を選択するのがオススメです。
▼岩波文庫版の「動物農場: おとぎばなし」はこちら
最後に
今回は、『「動物農場」の翻訳は角川文庫がおすすめ!読みやすい』についてご紹介しました。
このように、「動物農場」の翻訳は角川文庫版がオススメになります。
実際に角川文庫版の「動物農場」を最後まで読みましたが、特に難しい単語や分かりにくい言い回しなどもなく最後までサクサク読めました。
「動物農場」は、ハヤカワepi文庫版は誤訳があり、岩波文庫版は子ども向きなので、やはり角川文庫版が良いのではないかと思います。
まずは、購入前に電子版のサンプルをチェックして見るのがオススメです。
皆さんも、あなたに合った翻訳の「動物農場」を楽しみましょう。