「地デジ(地上波)」の4K放送はいつ始まる?2028年頃に開始、普及は2030年か
「地デジ(地上波)」の4K放送はいつ始まるのでしょうか。
「地デジ 4K」は、これまで全く音沙汰がなかったのですが、2023年に遂に仕様が決定したので(参考: 総務省が「次世代地デジ放送」仕様策定。4K/HDR/22.2ch対応へ – AV Watch)、予想としてはだいたい2028年頃に始まり、2030年代に全国で視聴できるようになるのではないかと思います。
そんなわけで今回は、「地デジ(地上波)の4K放送はいつ始まる?」について見ていきましょう。
「地デジ(地上波)」の4K放送はいつ始まる?
地デジ4K放送の仕様は2023年に決定済み
まずは、2023年に決定した「地デジ4K放送」の仕様について見ていきましょう(参考: 総務省が「次世代地デジ放送」仕様策定。4K/HDR/22.2ch対応へ – AV Watch)。
まず、画面解像度は
- 4K 3,840×2,160
- 2K 1,920×1,080
の2種類となっています。
リフレッシュレート(フレームレート)は、
- 60Hz、59.94Hz
- 120Hz、119.88Hz
の「プログレッシブ方式」のみとなっていて(60p、120p)、厄介な「インターレース」はようやく廃止となります。
一応120fpsのハイフレームレートにも対応していますが、おそらく対応する動画コンテンツが登場しないのと、そもそもビットレート不足で厳しそうです(2K 120pならいけるかも)。
ダイナミックレンジは、
- SDR BT.709/BT.2020
- HDR BT.2100(HLG/PQ)
の「10bit」となっていて、SDRとHDRに対応していますが、コンテンツに応じて切り替えられるのかどうかはまだ分かりません。
コーデックは、
- H.266 VVC(Versatile Video Coding)
となっていて、「地デジ」に使われている90年代の「MPEG-2」から一気に進化し、「BS4K」の「H.265 HEVC」よりも1世代新しい技術となります。
ビットレートは、2Kは5Mbps、4Kは15Mbpsで十分高品質な画質が得られるようです。
音声フォーマットは、
- サンプリング周波数 48kHz
- 量子ビット数 16bit以上
となっています。
音声コーデックは、
- MPEG-H 3D Audio
- AC-4
となっています。
開始時期は2028年頃?全国で見れるのは2030年代?
ここで、現在の2K放送の「地デジ」が開始されるまでどれくらいかかったのかをおさらいしておきます(参考: 日本の地上デジタルテレビ放送 – Wikipedia)。
「地デジ 2K」は、1998年に地上波のデジタル化が正式に発表され、2003年に3大都市で地デジの放送開始されました。
「地デジ 2K」が正式発表されてから実際に始まるまで、およそ5年かかっていることになります。
また、「BS4K」は2014年に仕様が決定し、2018年末に放送が始まったので、やはり丸4年とそれくらいの時間がかかっています(参考: 総務省、4K/8K放送に向け衛星放送の技術仕様取りまとめ。4:2:2/ハイレゾ対応求める声も – AV Watch)。
これらをそのまま単純計算すると、「地デジ 4K」は2023年に仕様が決定し、5年後の2028年頃の開始になることが予想されますが、もちろん当時とは時代が違うのでもっと早くなる可能性もありますし、逆に遅くなる可能性もあります。
ちなみに、Google検索をすると、「地デジ4Kは2025年に始まる!」と何の根拠もなく書いている記事がありましたが、これまでは放送開始に4〜5年かかっていることから、さすがにそれは早すぎるのでないと思います。
「地デジ 2K」の時は都市部で放送が始まってから全国に広がるまで3年くらいかかかった記憶があるので、「地デジ 4K」も全国に普及するのは2030年代に入ってからになると思われます。
「ダイナミックレンジの切り替え」には対応して欲しい
個人的な要望としては、「ダイナミックレンジの切り替え」には絶対に対応して欲しいです。
「BS4K」は民放のダイナミックレンジの切り替えに非対応な点が不満で、「2K SDR」から「4K HLG HDR」に変換された汚い映像が垂れ流されています。
これが最悪である理由は、ダイナミックレンジを無理やりいじっているため、下手をすると、「BS2K」よりも「BS4K」の方が汚く見えることがあることです。
これが原因で「BS4K」は全く見てません。
せめて「BS4K」が4K SDRで放送されていたら、「BS2K」の上位互換として優先的に視聴していたのですが、「BS4K」は基本的に「BS2K」よりも汚いので見ていません。
ぶっちゃけ民放は4K SDRでいい?
「地デジ 4K」が実際に始まったとしても、民放に関しては「4K HDR」ではなく、「4K SDR」での放送でいいと思います。
その理由は、民放はすでに「BS4K」で「HDR」を導入していますが、全くうまくいっていないためです。
そもそも映像における「SDR」と「HDR」の関係というのは、音声に例えると「ステレオ」と「サラウンド」のようなものです。
ニュース番組やバラエティ番組に「サラウンド」は必要ないのと同じように、ニュース番組やバラエティ番組に「HDR」は必要ないのです。
「サラウンド」は映画や配信ドラマで映えるのと同じように、「HDR」も映画や配信ドラマでやってくれればいいのです。
また、「HDR」の動画は編集が大変なので、ただでさえ制作費削減で余裕のない民放のテレビ局に、HDR対応の番組が作れるとは到底思えません(金に余裕のあるNHKだけ勝手に張り切っている印象)。
このことから、民放は「4K SDR」での放送が現実的だと思います。
2030年代はテレビからメガネの時代になっている可能性も?
2024年にアップルが「Apple Vision Pro」を発売しました。
「Apple Vision Pro」はメガネをかけるだけで140インチ相当の4Kディスプレイを表示することが可能です。
さらに、2024年中にメタが「Orion」と呼ばれる高性能スマートグラスを販売する予定です。
これらのスマートグラスの登場によって、2030年代にはテレビそのものが時代遅れになってしまっている可能性もあるのです。
2020年代の現代でさえ、スマホやネット動画の普及でテレビはオワコンであるというムードが漂っているので、2030年代になったらこの流れはさらに加速していると考えるのが妥当です。
あとは、テレビをよく見ている1960年代以前生まれの世代の数が、年々減ってきていることも注意しておきたいですね。
実際に「地デジ 4K」の放送が始まったとしても、2030年代の世間からは「だから何?」と冷たくスルーされる可能性もあるもあることは考慮しておきましょう。
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最後に
今回は、『「地デジ(地上波)」の4K放送はいつ始まる?2028年頃に開始、普及は2030年代か』についてご紹介しました。
このように、「地デジ 4K」は2028年頃に始まり、全国で見れるのは2030年代になると予想します。
果たして、「地デジ 4K」はいつ始まるのか、今後も目が離せませんね。