楽天銀行デビットカードJCBが「Edyチャージ」に対応していない理由は?
最近は「フィンテック」という言葉をよく耳にするように、現金を使わないキャッシュレスを促進する風潮が高まっています。
この流れを受けてか、2016年には日本でもApple Payがスタートし、電子マネーがかつてないほどの盛り上がりを見せています。
そんな電子マネーの中で、Suicaに並んで利用者が多いのが楽天の「Edy」です。
Edyは対応店舗も多く、ユーザーにとって使い勝手の良い電子マネーなのですが、残念ながらApple Payには対応していません。そのためEdyを使いたいiPhoneユーザーはEdyカードを使う必要があります。
実はこのEdyの利用に関して少しやっかいなことがあるのです。それはSuicaと違って「デビットカードからのチャージに対応していない」ということです。
厳密に言えば、楽天銀行のVISAデビットには対応しています。しかしそれ以外のものには対応していないのです(追記: 楽天VISAデビットもチャージ不可になったようです)。
どうせ電子マネーを使うなら、現金からではなくカードからチャージしたいですよね。
そして日本にいる人全員がクレジットカードを所持しているわけではありませんし、持っていてもなるべく使いたくない人もいます。そこで今回はEdyとデビットカードの関係について調べてみました。
張り切ってパソリを買ったものの…
2016年はとにかく「フィンテック」が叫ばれた年でした。
そんなことで私も、「これからはキャッシュレスの時代だ!」と張り切って、フィンテックブームの波に乗るべく楽天Edyのカードと、パソリ(スマホでICカードにチャージするためのもの)を入手しました。
SuicaはiPhone7にて対応しましたが、Edyは使えないのでICカードを利用する必要があったのです。
ところがどっこい、いざEdyにチャージしようとしたところ、なんと楽天銀行デビットカードJCBが使えなかったのです。
これは全くの想定外でした。なぜならSuicaのチャージには対応していたからです。
「同じ楽天だから対応しているだろう」と思って事前に調べていなかったのですが、これはどうも納得がいかなかったので、対応状況を調べて、今後対応の予定があるかどうかを問い合わせてみることにしました。
現状の対応状況
現状の楽天Edyのチャージに対応しているカードはこちらに掲載されています(参考: 楽天Edy)。
楽天カード、楽天銀行デビットカード(VISA)、アメリカン・エキスプレス、MUFGカード(三菱UFJニコス)、DCカード(三菱UFJニコス)、ニコスカード(三菱UFJニコス)、UFJカード(三菱UFJニコス)、NCカード(エヌシーガイドショップ)、NTTグループカード、エポスカード、オークス、オーシーカード、オリエントコーポレーション、クレディセゾン、山陰信販、JCB、ジャックスカード、セディナ、オーエムシーカード、CFカード、ゼビオカード、ダイナースクラブカード、東急カード、トヨタファイナンス、日本海信販、VJAグループ、三井住友カード、ほくせんカード、UCカード、UCSカード、ゆめカード、LIFEカード、ポケットカード
そのうち対応している唯一のデビットカードは「楽天銀行デビットカードVISA」のみです(追記: 現在は楽天VISAデビットも非対応になったようです。)
究極の疑問は、なぜ「楽天銀行デビットカードJCB」に対応していないのか、という点です。同じ楽天の提供するサービスなので、対応した方が楽天にとっても良い気がするのですが、一体どうなっているのでしょうか。
問い合わせてみた
楽天Edyのサポートページにて、「楽天銀行デビットカードJCBからのEdyチャージに対応する予定はありますか?」という質問をしてみました。以下はその返答です。
Edyチャージにご利用いただけるデビットカードは、楽天銀行デビットカード(VISA)のみとなります。
恐れ入りますが、楽天銀行デビットカード(JCB)は、Edyチャージにご利用いただくことはできません。
なお、今後の対応につきましては、発行元のクレジットカード会社様の判断となります。何卒、ご了承いただきますようお願いいたします。
とのことです。どうやら「発行元のクレジットカード会社様の判断となります。」とあるように、楽天Edyと楽天銀行デビットカードは同じ楽天でも管轄が違うようです。今後のことはうち(楽天Edy)には分からないってことみたいですね。
対応していない理由は?
では、一体なぜ楽天銀行デビットカードJCBは、楽天Edyのチャージに対応していないのでしょうか。
今回は想定される3つの理由を考えてみました。
理由① 技術的な問題がある?
そもそもEdyは2012年に楽天に買収されるまでは完全に別会社でした。
そのためもともと楽天銀行デビットカードJCBへの対応を想定したつくりになっていないことには納得です。
楽天としては対応したい意向があっても、技術的な問題があって難しいということかもしれません。
デビットカードの即時引き落としのシステムが、Edyのチャージシステムと相性が悪いのかもしれませんね。
ところが、楽天銀行デビットカードVISAにだけ対応しているのはなぜでしょうか。
デビットカードに問題があるのなら、楽天のVISAデビットも使えないはずなのにです。このあたりが不可解ですね。
理由② 意図的に対応していない?
次に考えられるのが、楽天の提供する有料のVISAデビットカードか、クレジットカードを使わせたいがために、年会費無料の楽天銀行デビットカードJCBには意図的に対応しないというパターンです。
これは正直デメリットの方が多いが気がします。
これが原因でEdyを使いたかったユーザーがSuicaに流れてしまったら、結局楽天にとって損になるからです。
それとEdyにチャージしたいがために、無料のJCBから有料のVISAにわざわざ切り替えるユーザーがどれくらいいるのか疑問です。
謎は深まるばかりです。
理由③ 現在対応中?
実際にどうかは不明ですが、最近のフィンテックの流れを受けて、現在デビットカードからのEdyチャージ対応に向けて進めている最中という可能性があります。
特にApple PayにSuicaが対応したことによるEdy側の焦りもあると思うので、今対応に向けて頑張っているのかもしれませんね。もしこの理由なら、私たちユーザーはただ待つのみです。
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最後に
今回は、「楽天銀行デビットカードJCBがEdyチャージに対応していない理由は?」についてご紹介しました。
このように、「フィンテックだ」、「キャッシュレスだ」と叫ばれている割には、その手のサービスの使い勝手がよろしくないなという感想です。
そもそも全ての店のレジがICカードやApple Payに対応しているわけでもないので、結局現金で払うケースも少なくありません。
だいたい同じチャージ式の電子マネーであるSuicaとEdyはとても仲が悪く、おそらく今後もこの2社の対立は続くと思います。
そのためなるべくキャッシュレスで生活を送りたいユーザーは、複数の電子マネーカードを持ち歩く必要があります。
これがフィンテックだとするなら、果たして本当に便利なものなのか疑問に思えてきます。