MacのPremiere Proが重い時の対処法!PCIe SSDで高速化
今回は、「MacのPremiere Proが重い時の対処法」についてご紹介します。
私は2019年モデルの「iMac 21インチ」を使って、Adobeの「Premiere Pro (プレミア・プロ)」をよく利用しています。
ところが、私の「iMac」では、「Premiere Pro」が非常に重く、そもそも起動するのに何分もかかってしまうような有り様でした。
私の「iMac」は、2019年モデルと比較的新しいですし、CPUはIntel Core i5の6コア、RAMは8GBと、そこまで極点な低スペックではないはずなのにです。
どうやら、動作が重い原因はストレージにあったようで、あの悪名高き「Fusion Drive (フュージョン・ドライブ)」が悪さをしているようでした。
そこで、高速な「PCIe SSD」をUSB 3.1gen2で接続し、「iMac」の起動ディスクにしたところ、見違えるほど「Premiere Pro」の動作が速くなりました。
そんなわけで今回は、「MacのPremiere Proが重い時の対処法」についてみて行きましょう。
MacのPremiere Proが重い時の対処法
MacのPremiere Proが遅い原因
そもそも、「MacのPremiere Proが遅い原因」にはどのようなことがあるのか、見ていきましょう。
「MacのPremiere Proが遅い原因」は、主に以下の2つになります。
- スペックが足りない
- ストレージが遅い(HDDやFusion Drive)
1つ目の「スペックが足りない」は、もう何年も前のモデルのMacを使っている人が該当します。
また、比較的新しいモデルであっても、MacBook(無印)やMacBook Airは処理能力が低めなので注意です。
2つ目の「ストレージが遅い(HDDやFusion Drive)」は、おそらく多くの人が該当する原因です。
ラップトップの「MacBook Pro」では、2012年頃のRetinaディスプレイモデルからHDDが廃止され、高速なSSDに切り替わっているので、この原因は該当しません。
しかしながら、「iMac」では、「HDD」や「Fusion Drive」といった、読み込み・書き込み速度の遅いストレージが2019年まで採用され続けてきました。
「iMac」では2020年モデルから「Fusion Drive」が廃止されたのですが、2019年モデルまでを購入した多くのユーザーが「Fusion Drive」を使っていることになります。
このストレージ速度の遅さを解決するには、外付けのSSDを起動ディスクにするという方法があります。
SSDにはPCIeとSATAの2種類がある
Macのストレージが遅い場合は、外付けSSDを起動ディスクにすることで、大幅に改善します。
ここで押さえておきたいのが、「SSD (ソリッドステートドライブ)」には、「PCIe (ピーシーアイエクスプレス)」と「SATA (シリアルエーティーエー)」の2種類があることです。
SSDにおける「PCIe」と「SATA」には、速度に違いがあって、「PCIe」の方が「SATA」よりも高速です。
現在出回っている「PCI Express 3.0 (Gen3)」では最大8Gbps(1GB/s)、「PCI Express 4.0 (Gen4)」では最大16Gbps(2GB/s)に対応しています。
一方で「SATA」は、現在出回っている「SATA 3」で最大6Gbpsに対応していますが、実質的には600MB/sまでしか出ないようです。
そのため、SSDを購入する際は「PCIe」を選択した方が高速です。
MacのUSBのバージョンを確認
次は、お使いのMacのUSBのバージョンを確認します。
私が使っている「iMac」2019年モデルは、「USB 3.1 Gen2」まで対応していました(Thunderboltポート)。
「USB 3.1 Gen2」は、最大10Gbps(1250MB/s)まで対応していて、「USB 3.1 Gen1」や「USB 3.0」の最大5Gbps(625MB/s)よりも高速です。
そのため、「USB 3.1 Gen2」に対応するSSDケースを選択しました。
ちなみに、「Thunderbolt 3」対応のPCIeケースを使う方法もあるのですが、価格が高いので今回はスルーしました。
(お使いのMacがどのUSBのバージョンに対応しているか調べて、最適なものを選択しましょう。)
MacをPCIe SSDで高速化
▲次は、実際に「PCIe SSD」を使って、Macを高速化していきます。
今回は、Transcendの「TS512GMTE220S」を購入しました。
▼Transcendの「TS512GMTE220S」はこちら
▲次にSSDケースですが、AMPCOMのSSDケースを購入しました。
「AMPCOMのSSDケース」は、「USB 3.1 Gen2」に対応しています。
▼「AMPCOMのSSDケース」はこちら
▲「TranscendのSSD」を箱から取り出したら、AMPCOMのSSDケースに装着します。
SSDケースにSSDを装着する際は、まず端子部分を接続し、端子の反対側の端を付属のネジで固定します。
また、AMPCOMのSSDケースには放熱用シリコーングリースも付属しているので、熱対策としてSSDの上に貼っておきましょう。
SSDをケースに固定して、放熱シートを載せたら、ケースをネジで固定してMacのThunderbolt端子に、USB-Cケーブルで接続しましょう(USB 3.1 Gen2はThunderbolt端子のみ有効)。
MacにSSDを接続したら、「command + R」を押しながらMacを起動し、Time MachineからOSをSSDにインストールします(参考: バックアップから Mac を復元する)。
SSDにOSがインストールできたら、「option」を押しながら起動し、SSDを選択してMacを起動します。
▲SSDからOSを起動したら、ディスクスピードを計測してみましょう。
今回の私のケースでは、読み込み速度・書き込み速度ともに900MB/s以上出ていました。
Transcendの「TS512GMTE220S」が対応している「PCI Express 3.0 (Gen3)」の最大値が1000MB/sなので、これが限界に近いようです。
次は、Adobeの「Premiere Pro」を使ってみましょう。
まず、起動時間が圧倒的に速くなっていることに驚くと思います。
そして、動画編集時のカクツキやモタツキも減って、かなり快適になっています。
以上が、「MacをPCIe SSDで高速化」になります。
外付けSSDは内蔵SSDには敵わない
今回は、外付けSSDにOSをインストールすることで、Macの高速化を試してみました。
この方法で、ある程度はMacを高速化することができます。
しかしながら、外付けの場合どうしても「USB 3.1 Gen2」の速度がネックになります。
Mac本体にSSDを内蔵しているモデルは、読み込み・書き込み速度が2500MB/sを軽く超えることもあるようです(参考: 2020年新型 iMac はどう進化したのか!?旧 iMac と比較してみた!【#2 比較・ベンチマーク編】)。
このように、外付けSSDを起動ディスクにする方法は、所詮は「Fusion Drive」モデルの延命処置に過ぎず、内蔵SSDには逆立ちしても勝てません。
そのため、より快適にMacを使いたい場合は、SSD内蔵モデルのMacに買い替えるしかなさそうです。
▼Transcendの「TS512GMTE220S」はこちら
最後に
今回は、『MacのPremiere Proが重い時の対処法!PCIe SSDで高速化』についてご紹介しました。
このように、Macの「Premiere Pro」が重くて困っている場合は、「PCIeのSSD」を使うことで、高速化できます。
そして、「PCIeのSSD」を「USB 3.1 Gen2」でMacに接続すれば、読み込み・書き込み速度が900MB/s以上は出ました。
しかしながら、SSDを本体に内蔵しているMacでは、読み込み・書き込み速度が2500MB/sは軽く出るので、やはり外付けSSDでは内蔵には敵わないようです。
皆さんも、MacのPremiere Proが遅いと困っている場合は、PCIe SSDを使って高速化してみてはいかがでしょうか。