「Fire TV Stick」と「Apple TV」を比較!実際に使って気づいたこと
最近はテレビでYouTubeやAbema TVなどのネット動画を楽しめる「メディアストリーミング端末」が流行っています。
しかしながら、いざ買おうと思うと、このようなストリーミング端末は複数のメーカーから発売されているため、どれを選ぶべきか迷っている方も多いかもしれません。
そこで今回はストリーミング端末の中でもメジャーなアマゾンの「Fire TV Stick」と、アップルの「Apple TV」を徹底比較し、実際に両方を使ってみて気づいたメリットとデメリットをご紹介します。
ちなみにFire TV Stickは2017年モデル、Apple TVは2015年モデルでのレビューになります。どちらにしようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。それでは参りましょう。
Fire TV Stickのメリット
まずは、おそらく日本で最も利用者が多いであろうアマゾンの「Fire TV Stick」のメリットを見ていきます。
Fire TVシリーズは日本では2015年にリリースされました。Fire TV Stickの最新モデルは、2017年(アメリカでは2016年)発売の第2世代になります。メリットは以下の通りです。
- 価格が安い
- Amazonプライムビデオに特化
- 場所を取らない
- リモコンが押しやすい
Fire TV Stick一番の魅力は何と言っても価格が安いことです。最新モデルでも¥4,980と、なんとApple TV(¥17,064)と比べると3分の1以下なのです。さすがは業界の価格破壊者であるアマゾン様です。この低価格は他社には簡単には真似できません。
次に、Fire TV StickのUIデザインはAmazonプライム・ビデオに特化されています。アマゾンプライム会員の人々にとっては、Fire TV Stickはこの上なく便利な製品になっています。視聴中のビデオはホーム画面からすぐに再開できますし、新着やオススメのビデオをトップバナーで表示してくれます。
そして、Fire TV Stickはとても小さく、テレビの背面に直接接続できるので、設置する場所を取ることはありません(テレビの背面の場所は取りますが)。電源はマイクロUSBでの供給になっているので、消費電力もとても少ないと思われます。
Fire TV Stickのリモコンはカチっとした操作性でとても押しやすいです。アンドロイド端末と同様に「戻る」、「ホーム」、「メニュー」の3ボタンも搭載されています。
Apple TVのメリット
次はアップルの「Apple TV」のメリットについて見ていきましょう。
Apple TVはもともと2007年に登場したスティーブ・ジョブズのオモチャでしたが、2015年の第4世代からフルモデルチェンジし、新たにAppStoreにも対応するなど生まれ変わりました。メリットは以下の通りです。
- iTunes映画に対応
- アプリの数が豊富
- AirPlayに標準対応
- リモコンで音量調整できる
- Siriで色々できる
- UIが美しい
まずApple TVは「iTunes映画」に対応しています。すでにiTunesで映画をたくさん購入されている方は、Apple TVを選択した方がベターです。追記18.2.28: Apple TV 4Kでは、iTunesの4K映画にも対応しています。
次に。Apple TVはアプリの数がとても多いです。2016年10月時点で8,000以上のアプリがApp Storeに配信されているとアナウンスされました(参考: CNET Japan)。一部にはiOSと共通のアプリもあり、すでにiPhoneで購入済みの有料アプリをApple TVに無料でインストールすることも可能です。tvOSのアプリは、iOSと同様にSwiftで動くので、開発側にとっても互換性を取りやすいというメリットがあります。
次に、Apple TVはAirPlayに標準対応しているので、iPhoneやiPadを使っている人は安定した滑らかなAirPlayを楽しむことができます。
そして、Apple TVのリモコン(Siri Remote)では、ボタンでテレビの音量調整ができます。これは地味に便利です。またHDMIリンク対応テレビの場合は、Siri Remote一台で起動からスリープまでの操作を全てまとめることも可能です。
そして、リモコンのSiriで色々な操作も可能です。例えば「10分スキップ」や、「今日の日経平均株価は?」などの操作ができます。YouTubeなどで動画検索をする際も音声による文字入力が可能なので便利です。
なにより、Apple TVのUIはすっきりしていてとても美しいです。ホーム画面にはあなたの表示したいアプリだけを選んで配置させることができます。もちろん広告などは一切表示されません。
Fire TV Stickのデメリット
では次に「Fire TV Stick」のデメリットを見ていきます。
- AirPlayが不安定
- 音声検索はAmazonのコンテンツのみ
- できることが限られている
- 広告だらけのUI
Fire TV Stickはそもそも標準ではAirPlayには対応していませんが、外部アプリをインストールすることで擬似的に対応できます。しかしながら、非公式ゆえにApple TVのように安定した動作はしません。
次に、新しいモデルには音声リモコンが付いていますが、利用できる機能はAmazonのビデオとアプリを検索する機能のみです。US版ではアレクサに対応しているので、今後のアップデートで進化する可能性はあります。
そして、これは仕方がないことですがFire TV Stickはできることが限られています。Amazonプライムビデオの視聴とYouTube、ネットフリックス、hulu、dTV、AbemaTVなどの視聴に加えてゲームアプリをが数種類あるだけです。よりディープに楽しみたい人は上位機種のFire TVを買うべきなのかもしれません。
さらに、Fire TV StickのUIは広告だらけでとてもややこしいです。プライム(見放題)の作品と非プライム(有料)の作品も混同して表示されるので、間違えてうっかり課金してしまいそうになります。トップページには広告のバナーが常に表示されて、とても目障りです。おそらく広告費込みでここまでの安価を実現できていると思うので、文句を言うのは間違いかもしれませんが。
Apple TVのデメリット
では最後に「Apple TV」のデメリットを見ていきます。
- 価格が高い
- Siri Remoteが使いにくい(※慣れれば使いやすい)
- Amazonプライムビデオに非対応 (※対応済み)
Apple TVはとてお高いです。第3世代までは1万円未満と良心的な価格でしたが、第4世代から¥17,064〜と、急にに跳ね上がりました。
また、Siri Remoteは使いにくいです。ノールックではどちらが上下か分からないので、よく間違えます。しかしこれは使っているうちに慣れてくるところではあります。追記18.2.28: Siri Remoteは、慣れればとても使いやすいです。
そして、App StoreにはいまだにAmazonプライムビデオのアプリがありません(17年5月現在)。AirPlay経由での再生は可能ですが、世界中のユーザーがアプリの配信を望んでいると思います。※追記: WWWDC’17にて、アップルから正式にAmazonプライムビデオの対応がアナウンスされました。現在は対応済みです。
▼「Apple TV 4K」はこちら
最後に
「結局どっちが良いの?」と聞かれると、ライトユーザーならFire TV Stick、ヘビーユーザーならApple TVをオススメします。
「テレビでAmazonプライムビデオを見たい」、「ついでにYouTubeやネットフリックスも見れたらいいな」という人にはFire TV Stickで間違いないと思います。対して「YouTubeやネットフリックスは必須」、「テレビでゲームをしたい」、「いろんなアプリを試したい」、「AirPlayをしたい」という人にはApple TVをオススメします。
ヘビーユーザーでかつ、Amazonプライムビデオを見たいという人には、今のところ両方を買うしかありません。そう考えると、まずは価格の安いFire TV Stickでストリーミング端末デビューをして、物足りない場合はApple TVを買い足すという方法がベターかもしれません(お金はかかりますが)。追記18.2.28: Apple TVがプライム・ビデオに対応したため、ヘビーユーザーにはApple TVの購入をオススメします。
2017年後半には4K対応した新しいApple TVの登場も噂されていますので、それと同時に現行モデル(第4世代)が値下げする可能性もあります。これからメディアストリーミング端末をゲットしたい方や、どちらにするか迷っている方のために何かの参考になれば幸いです。