「岡崎体育」がブレイクした理由は?現代人はJ-Popにウンザリしてる!?
歌手の岡崎体育さんの新曲、「感情のピクセル」が今ネットで大きな話題になっています。
ツイッターでは、松井玲奈さんや高橋みなみさん、渡辺直美さんなどの著名人も絶賛しているほどです(参考: 耳マン)。
その理由は、予想外の歌詞の展開です。
簡単に説明すると、「感情のピクセル」はまずロックバンド調のかっこいい感じのイントロから始まります。
歌詞もそれっぽい感じでMVの映像もいい感じです。ところが、サビに入ると突如全てを破壊するかのように、「どうぶつさんたちだいしゅうごうだわいわい」と曲はそのまま歌詞のテイストが180度切り替わるのです。
この演出がとてもウケているようです。
このように、一見ふざけているようにしか見えない曲ばかり作っている岡崎体育がブレイクしている理由とは一体何なのでしょうか。
岡崎体育はなぜブレイクしているのか?
そもそも岡崎体育さんの名が知れ渡ったのは、2016年の4月にリリースされた「MUSIC VIDEO」という曲です。
この曲は「ミュージックビデオあるある」を4分間ひたすら列挙し続けるものです。
このMVを見た視聴者から、「あるある!」と共感を集め、一気に話題になりました。
実はこの「MUSIC VIDEO」と、今回の「感情のピクセル」にはある共通点があるように感じます。
それは単なるウケ狙いのネタなどではなく、現代のありきたりなJ-Popに対する警鐘です。
「MUSIC VIDEO」は、どのアーティストもテンプレート化されたありきたりで似たり寄ったりのミュージックビデオばかり作っていてつまらないということを、「ミュージックビデオあるある」という形で表現したのではないでしょうか。
また、「感情のピクセル」は曲の雰囲気でごまかして中身のない薄っぺらい歌詞ばかり並べているアーティストに対する警鐘のようにも捉えられます。
「誰も歌詞なんて聞いてないから、とんでもないものをぶっ込んでも気づかないよね?」という岡崎体育なりの挑戦状なのかもしれません。
みんな現代のJ-Popにウンザリしている?
「J-Pop」といえば、90年代のCDバブル期の頃から、キャッチーで耳に残りやすい曲がヒットする傾向が生まれました。
まだこの頃は新しい音楽に挑戦するアーティストも多かったように思えます。
それが2000年代に入ると、90年代のヒット曲を焼き直して劣化したような曲ばかりになり始めます。
そして2010年代に入ってくると、「会いたい」や「キセキ」といった、いよいよ同じような歌詞、同じような曲ばかりで、どのアーティストの曲も既にどこかで聞いたことあるようなものばかりになり、新鮮さは皆無になります。
この頃からCDのセールスも激減し、売れているのはAKBだけになりました。
これはCDが売れなくなったというよりかは、人々が音楽を聞かなくなったという解釈の方が正しいかもしれません。
もはや現代の人々は、ありきたりなJ-Popにウンザリし、J-Popで感動することもなくなってしまったのです。
岡崎体育は代弁者?
かつて80年代には若者の代弁者として「尾崎豊」が登場しました。
それとはスケールが違いますが、ある意味では岡崎体育は現代人の「J-Popに対するウンザリした気持ち」を代弁しているのかもしれません。
「MUSIC VIDEO」や「感情のピクセル」などの曲は90年代や00年代なら「ふざけているのか!?」と思われて確実に相手にされない曲でした。
しかし現代ではネットに旋風を巻き起こしています。
まさに現代だからこそブレイクした曲であり、現代人が潜在的に求めていた曲でもあるのです。
岡崎体育は間違いなく音楽のセオリーを無視していますが、初めて「コピペJ-Pop」から脱出し、オリジナル曲を作ったのです。
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最後に
音楽のあり方は時代とともに変わるものです。
おそらく、これから2020年代にかけては、岡崎体育さんのような「意表を突いた曲」がヒットするようになると思います。
その中には、とうてい音楽と呼べないものも多いかもしれません。
またDTMソフトの普及によって、低予算の軽い音の曲が増えていくことになると思いますが、これもまた時代の流れなのではないでしょうか。