Siriとアレクサの3つの違い!実際に使ってみて分かったこと
遂にスマートスピーカーの雄である、「Amazon Echo (アマゾンエコー)」が日本で発売になりました。
エコーにはAIである「Alexa (アレクサ)」が搭載されているのですが、「アレクサは、iPhoneのSiriとは何が違うの?」と疑問に感じている人も多いかもしれませんね。
かくいう私も、エコーを手に入れる前は「Siriで十分じゃね?」と思っていました。
そこで今回は、私が実際に使ってみてわかった、「Siriとアレクサの3つの違い」についてご紹介します。
Siriとアレクサは、一見すると似たようなものですが、実は大きく異なるものなのです。それでは参りましょう。
Siriとアレクサの3つの違い
1. 起動ワードの認識率
1つ目のSiriとアレクサの違いは、「起動ワードの認識率」です。
起動ワードである「Hey Siri」をiPhoneやiPadに言う時と、「アレクサ」をエコーに言う時とでは、認識率に差があると感じました。
まず、「Hey Siri」は3割近い確率で反応せずに無視されます。特に、iPhoneやiPadから少し離れた距離からHey Siriを言うと、ほとんど反応してくれません。
一方で、「アレクサ」は、少し離れた距離からでも、ほぼ確実に認識してくれます。「アレクサ」と呼びかけて無視されるのは1割くらいの確率です。
これは、本体マイクの構造による違いに原因があると思われます。
iPhoneやiPadのマイクは、もともと電話や動画の撮影を意図して設計されているので、起動ワードの認識に特化しているわけではありません。
一方で、エコーは初めから音声認識を受け取りやすいように作られていることと、電源直結のため、バッテリーを気にせずにいつでも起動ワードに答えれるよう、スタンバイすることができます。
もちろん、現状ではスマホ・タブレット対スマートスピーカーの比較になっているので、スマートスピーカーであるHomePodが登場すると、この辺りの評価も変わってくるかもしれません。
2. 音声だけでアクセスできる範囲
2つ目のSiriとアレクサの違いは、「音声だけでアクセスできる範囲」です。
もともとSiriは、iPhoneやiPadの利用の補助として位置づけられているので、音声だけでアクセスできる範囲がとても限られています。
例えば、Siriに「〜ついて教えて」と聞くと、「ウェブでこちらの情報が見つかりました」と丸投げされて読み上げてくれません。このことからも、iPhoneやiPadを、ディスプレイから離れた位置からハンズフリーで使うことは想定されていないことが分かります。
一方でアレクサに「〜ついて教えて」と聞くと、ウィキペディアの情報などを音声で読み上げてくれます。エコーにはそもそもディスプレイがないので、全て音声だけでやり取りできるように初めから設計されているようです。
また、サードパーティ製のアプリも、基本的にSiriではアプリを開くことしかできません。あとはディスプレイで操作してくださいと丸投げされます。
アレクサでは、例えば食べログのスキルを開くと、「探したい駅名や料理のジャンルを言ってください」のように音声だけで検索ができるように設計されています。
このように、ディスプレイで操作することを前提に作られている「Siri」と、音声で操作することを前提に作られている「アレクサ」とでは、音声だけでアクセスできる範囲が大きく異なります。
3. 対応アプリ・スキルの数
3つ目のSiriとアレクサの違いは、「対応アプリ・スキルの数」です。
アップルは、iOS 10よりサードパーティー向けに「SiriKit」を提供していて、自由にSiriの機能を使うことができるようになりました。
しかしながら、このSiriKitに対応したアプリはさほど数が多くありません。そもそも、Siriがサードパーティーに解放されていた事実すら知らなかった人も多いのではないでしょうか。
一方で、アマゾンも「アレクサスキル (Alexa Skill)」というものを、サードパーティーに解放しています。
アレクサスキルとは、スマホで言うところのアプリのようなもので、サードパーティは自由にアレクサのスキルを作って配布することができます。
現在、日本語版アレクサには300近くのスキルが、英語版アレクサには2万以上のスキルが配布されていると言われています。
このように、対応アプリ・スキルの数からみても、Siriとアレクサの盛り上がり方の違いが一目瞭然なのではないでしょうか。
▼「Amazon Echo」はこちら
最後に
今回は、「Siriとアレクサの3つの違い」についてご紹介しました。
アレクサの最大の強みは、なんと言ってもエコーが常に家の同じ場所に置いてあるということではないでしょうか。
スマホやタブレットは常に持ち運ぶものなので、定位置というものがありませんが、エコーは家電のようにいつも家の同じ場所に置いてあります。
そのため、テレビや冷蔵庫などと同じように、気軽に「エコーを使おう」という動機が生まれやすいのです。
これが、2011年頃から存在するSiriがいまだに人々の生活に定着していない理由の1つなのかもしれません。
もちろん、アップルも家庭用のスマートスピーカーである「HomePod」を発売予定なので、今後HomePodがSiriの出番を増やす可能性が十分にあります。
ますます加熱するスマートスピーカー市場ですが、今後どうなっていくのか、とても楽しみですね。