「PayPayフリマ」が流行らない5つの理由!メルカリには勝てない?
2019年10月7日に、Yahoo! Japanは新しいフリマアプリとなる「PayPayフリマ」をリリースしました(参考: 「PayPayフリマ」アプリが公開–PayPay残高で払うと1%還元、ヤフオク!商品も購入可)。
「PayPayフリマ」では、コード決済サービスの「PayPay (ペイペイ)」を使って支払いができるのが特徴で、フリマの売上金をPayPay残高にチャージすることもできます。
また、PayPay残高を使ってPayPayフリマで買い物をすると、翌月に1%還元されます。
すでにフリマアプリの市場は、最大手の「メルカリ」と、楽天の「ラクマ」がしのぎを削っている状況で、ここに「PayPayフリマ」が参入することになります。
しかしながら、結論から言うとこの「PayPayフリマ」はヒットしないと思います。
そんなわけで今回は、「PayPayフリマが流行らない5つの理由」について見ていきましょう。
「PayPayフリマ」が流行らない5つの理由
1. すでにメルカリがディファクトスタンダード
1つ目のPayPayフリマが流行らない理由は、「すでにメルカリがディファクトスタンダード」です。
「メルカリ」は2013年にサービスを開始し、2019年9月時点で月間利用者数が1,350万人となっています(参考: 「メルカリ」累計5億取引を突破)。
今や「フリマアプリと言えばメルカリ」と言っても過言ではなく、「メルカリ」はいわゆるフリマアプリ市場におけるディファクトスタンダードとなってしまっているのです。
このように、一度業界標準が決まってしまうと、それを覆すのはかなり難しいのです。
例えば、「LINE」は日本におけるメッセージアプリのディファクトスタンダードになってしまったので、これまでDeNAの「comm」や海外勢の「Facebookメッセンジャー」、「WhatsApp」そして大手携帯会社の「+メッセージ」などが対抗してきましたが、どれも日本ではLINEに勝つことはできませんでした。
一般ユーザーの間でも「メルカリは知ってるが、ほかの似たようなサービスはよく知らない」という認識になっていると思います。
このように、「フリマアプリ = メルカリ」というイメージが固定化されているので、これを覆すのはかなり難しいと思います。
2. 今更PayPayフリマの使い方を覚えるのが面倒
2つ目のPayPayフリマが流行らない理由は、「今更PayPayフリマの使い方を覚えるのが面倒」です。
フリマアプリにしても何にしても、アプリやサービスにそれぞれの”クセ”や”独自の使い方”というものがあります。
そして「メルカリ」にも基本的なUIの使い方の他にも、独自のクセがあって、例えば買う前のコメントは必要か不要か、購入後のメッセージは必要か不要か、値下げ交渉はすべきかどうかといったことです。
また、売る側としては、メルカリ便を使えばQRコードを発行して匿名発送できることや、小さい物でされば「らくらくメルカリ便」よりも「ゆうゆうメルカリ便」の得といった情報や、しつこい値下げ交渉は無視しても構わないことなどです。
こういった「メルカリ」のクセや独自の使い方というのは、3〜4年かけてようやくユーザーの間に浸透してきたものです。
また、サービスが流行り始めた当時は運営側とユーザー側がどちらも慣れていないせいか、トラブルも多かった記憶があります。
このように、やっとユーザーたちがメルカリに慣れてきたというのに、また新しく「PayPayフリマ」のクセや独自の使い方などを覚えるのはめんどくてやる気にならないのです。
3. メルカリの出品数が圧倒的
3つ目のPayPayフリマが流行らない理由は、「メルカリの出品数が圧倒的」です。
メルカリにおける商品の出品数は圧倒的で、ほかのヤフオクなどのサービスを凌駕しています。
これはひとえに、「メルカリに出せば売れやすい」、「メルカリなら高く売れる」という認識がユーザーの間で広がっているので、物を売る際にまずメルカリを選択する人が多いのだと思います。
そして出品数が圧倒的に多いため、「メルカリではなんでも売っている」と言ってもいいような状況ができあがって、買う側も「まずはメルカリで探す」という人が増えているのです。
このように、メルカリには圧倒的な数の商品が出品されているので、他の似たようなサービスがこの出品数を超えるのはかなり難しいと思います。
4. 出品数が少ないので客が少なく、客が少ないので出品数も増えない
4つ目のPayPayフリマが流行らない理由は、「出品数が少ないので客が少なく、客が少ないので出品数も増えない」です。
「PayPayフリマ」にしてもなんしても、フリマアプリの最大の欠点はまずは売る側のユーザーが増えないと商品が増えないということです。
Amazonなどは自社で倉庫を持って仕入れができるので、出品者がいなくても客を集めることができるのですが、フリマアプリではそうはいきません。
「PayPayフリマ」は新規サービスなのでどうしても出品者が少なく、それ故に買う側のユーザーも商品が少ないのでPayPayフリマでは買い物をしたがらなくなります。
そして客が集まらないと、出品する側も「PayPayフリマよりも客が多いメルカリやラクマで売るか」と出品をやめるようになってきます。
このように、PayPayフリマでは、「出品数が少ない → 客が来ない → 売れないので出品する人も増えない → 出品数が少ない」というサイクルにはまっていて、ここから脱却するのはかなり難しいと思います。
5. メルカリではなくPayPayフリマを選択する理由がない
5つ目のPayPayフリマが流行らない理由は、「メルカリではなくPayPayフリマを選択する理由がない」です。
2019年10月時点では、「PayPayフリマ」の出品手数料はメルカリと同じ10%で、PayPayで支払うと1%還元されるくらいのメリットしかありません。
つまり、現場では「メルカリではなくPayPayフリマを選択する理由」がないのです。
もちろん、「PayPayフリマ」は近日中に大型キャンペーンを行うようなので(参考: フリマアプリ「PayPayフリマ」提供開始、近日中に大型キャンペーンも)、キャンペーンの内容によっては一時的にユーザーが増えるかもしれません。
おそらく、お得意の20%還元の類だと思いますが、それも数ヶ月で終わるものものなので、キャンペーンが終わったあとはユーザーはメルカリに戻ります。
このように、メルカリではでなくPayPayフリマを選択する理由は特にないのです。
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最後に
今回は、『「PayPayフリマ」が流行らない5つの理由!メルカリには勝てない?』についてご紹介しました。
このように、フリマアプリ市場がメルカリが圧倒的に強いので、PayPayフリマが流行るのはかなり難しいと思います。
そもそも、なぜPayPayフリマのようなサービスが始まるのかと言うと、親会社のYahoo! Japanがショッピング事業に躍起になっているためです。
先日のゾゾタウン買収もそうですし、とにかく店の数を増やしてAmazonや楽天に対抗しようとしているのでしょうか。
おそらく多くのユーザーはAmazonと楽天で満足してしまっていると思うのですが、今後Yahoo! Japanのショッピング事業がシェアを拡大することはあるのでしょうか。
果たして、PayPayフリマは流行るのか、Yahoo! Japanはどうなっていくのか目が離せませんね。