スマホバブル終了?携帯出荷数が2000年以降最低に
2019年度の携帯電話の国内出荷台数が2000年以降過去最低になる見込みのようです(参考: ケータイ・スマホの出荷台数、過去最低に 値引きの制限や楽天の参入遅れが影響)。
2019年度の携帯電話出荷台数は3,115万台となり、2018年度と比べて9.9%減のようです。
携帯電話の出荷台数が過去最低になった原因としては、新しい料金プランの導入で割引が無くなったことや、楽天の参入遅れなどが言われています。
中でも日本のスマホブームを牽引してきたiPhoneの販売数が2007年度以降最大の減少幅となったようです。
iPhoneの販売数が減ったのは、iPhone 7(2016)などの旧機種でもまだまだ現役で使えることから、買い替えの需要が減ったことが原因だと思います。
果たして、2010年代から始まったスマホバブルはもう終了するのでしょうか、それともまだ続くのでしょうか。
スマホバブル終了?
スマートフォンは日本では2010年頃から販売数が増加し、2011〜2012年頃にはガラケーを逆転、2017年には過去最大の3,000万台以上の販売数を記録しました。
ガラケーとスマホを合算した場合は、2012年の4,000万台がピークで、それ以降はガラケーの販売数が減少し続けたことで携帯電話全体の販売数も低下していました。
スマホに関しては、2017年、2018年は3,000万台を超えていたのですが、2019年は2,760万台となってしまいました。
このように、2019年に入ってからスマホが急に販売数を落としています。
スマホ急落の原因はiPhone?
なぜ急にスマホが売れなくなったのかを考える上で重要になるのがアップルの「iPhone」で、iPhoneの売上減少が過去最大になったことが最たる原因と言えそうです。
2017年はiPhone 7とiPhone 8がメインで売れ、2018年はiPhone 8がメインで売れてきましたが、2019年はiPhone XRとXSが売れず、ランキングの上位がずっとiPhone 8のままだったのを覚えています(参考: いつまで続く? iPhone勢の総合ランキングトップ10独占7週目)。
2019年9月に「iPhone 11」が発売されたことでようやくランキングが入れ替わりましたが(参考: 「iPhone 11/11 Pro」が総合トップ10独占 「iPhone 8(64GB)」はトップ10外に)、それでも2017〜2018年のようにiPhoneが絶好調で売れているわけではなさそうです。
iPhone XR、XSが売れなかったのは価格が高いのと名前がややこしいことで、iPhone 11でその問題は解消されたましたが、それでもiPhone 7、iPhone 8のようにバカ売れすることはもう無理そうです。
スマホはジリ貧?
スマホの販売数が減りはじめた理由として、新しい料金プランが悪い、iPhoneが悪いなどと言われていますが、そもそもの原因として旧機種でも十分使えるというのがあります。
2016年に発売された「iPhone 7」や2017年の「iPhone 8」は性能が良く、最新のOSにアップデートしてもサクサク動いてしまいます。
かつてはiPhoneは2年おきに買い替えるのが主流でしたが、「iPhone 7」辺りから処理能力の進化がストップしてきたので、2年どころか3年、4年と使えてしまうようになったのです。
言わずもがな携帯電話はこれ以上普及しませんし、少子化の影響で子どもたちの数自体も多くないので携帯デビューの数も少なく、あとは既存のユーザーに買い替えを促すしかありません。
そう考えると、スマホの販売数は今後はだんだん減っていくことになりそうです。
もちろん、2020年以降は5G対応モデルが続々と発売されるのですが、5Gに対応したからと言って、大多数の人々が急いで買い替えることは考えにくいのが現実的なところです。
モノではなくサービスを売る方向へシフト?
このように、スマホは今後はこれ以上販売数が伸びないため、モノを売るのではなくサービスを売る方向へ舵を切るのが良さそうです。
実際にアップルはiPhoneを無理に売るよりも、Apple Music、Apple TV+、Apple Arcade、Apple News+といった定額制のサブスクリプションの販売に力を入れています。
これはシンプルに、「スマホはもう持っていて買わないので、スマホでできることを売ろう」という考えのようです。
実際に、このようなスマホを使った「サービス」の分野は今成長していて、アップルの他にもNetflix、Amazon Prime、Disney+、Spotify、Stadiaといったサブスクリプションのサービスを売る企業が多くいます。
このように、今後はモノではなくサービスを売る方向へシフトしていくのでしょうか。
スマートウォッチとスマートスピーカーは?
ここで「スマートウォッチやスマートスピーカーはどうなの?」ということが疑問になると思いますが、スマートウォッチ、スマートスピーカーがスマホの代わりになることは無いと思います。
というのも、スマートウォッチもスマートスピーカーも便利である程度は売れていますが、スマホのように1人1台持つレベルまでは普及しないからです。
また、アップルが次に発売するのではないかと噂されている「スマートグラス」も、どこまで普及するかは未知数です。
もしかすると、「スマートグラスを使った方がスマホよりも便利だ」ということになれば、2030年頃の人類はスマートグラスをかけて街を歩いていることになるかもしれませんし、もしそうなればスマホもいらなくなっているでしょう。
ただ、スマートグラスがどこまで使えるものなのか全く分からないため、スマホに取って代わるかどうかも予想ができません。
もしかすると、2030年頃になっても人々は2019年現在と大差のない生活をしている可能性もあります。
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最後に
今回は、『スマホバブル終了?携帯出荷数が2000年以降最低に』についてご紹介しました。
このように、日本における携帯電話の出荷台数が減少しているのと、特にスマートフォンの販売数が減りはじめていることから、スマホバブルが終了した可能性があります。
また、アップルなどの企業も、今後はスマホのようなモノを売るよりもApple MusicやApple TV+のようなサブスクリプションサービスを売る方向へシフトしていくでしょう。
そして、スマートウォッチやスマートスピーカーなどはスマホの代わりになるほど普及はしません。
ただ、スマートグラスはもしかするとスマホの代わりになる可能性もありますが、逆にそうはならずに2030年頃も今と大して変わっていない可能性もあります。
果たして、これからスマホはどうなっていくのか、スマホの代わりとなるデバイスは登場するのか今後も注目ですね。